東京高裁 平成22年9月15日判決 (判例タイムズ1359号111ページ)

  • 漁港漁場整備法39条1項に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部の許可の権限を有する行政庁は、国有財産法における公共用財産の管理の趣旨に沿って許否を決定する裁量権を有するものというべきである。
  • 漁港漁場整備法39条1項に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部占有不許可処分について、裁量権を逸脱、濫用したものとはいえず、裁量権の範囲内において県許可基準に沿って適法になされたものとされた事例。
  • 漁港区域内の土地及び水面上に現存する建物及び桟橋を所得したと主張する被控訴人が漁港区域内の公共空地及び水面の一部占用許可申請をしたところ、漁港事務所長がこれを不許可としたので、漁港管理者である県知事に対し本件不許可処分の取消しを求めた事案の控訴審において、漁港事務所長には国有財産法における公共用財産の管理の趣旨に沿って諾否を決定する旨の裁量権が認められていたところ、本件不許可処分は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くようなものではなく、前記裁量権を逸脱濫用した違法なものということはできないとして、被控訴人の請求を容認した原判決が取り消された事例。
  • 漁港漁場整備法に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部占用許可申請に対する漁港管理者(知事)の不許可処分に、裁量権を逸脱又は濫用した違法はないとされた事例。
  • 漁港漁場整備法39法1項に基づき、漁港管理者は国有財産法における公共用財産の管理の趣旨に沿って許否を決定する裁量権を有するものというべきところ、本件申請は、占用許可により取得した権利を許可なくして譲渡してはならないという許可条件に違反しているなどから、これを不許可とした本件処分は、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くようなものではなく、県許可基準に沿って適法にされたものとした事例。