横浜地裁 平成24年4月11日判決 (判例地方自治372号19ページ)

  • 温泉掘削許可処分無効確認請求事件
  • 温泉法3条1項に基づく温泉掘削許可は、温泉源の掘削工事施工の適法要件に尽きるのではなく、掘削対象土地の利用権者がその私権の行使として敷地内の井孔から湧出する温泉水の利用についても効力が及び、その限りでは、当該源泉の掘削工事完了届出後でも効果が存続する。
  • 知事がした温泉掘削許可について、重大かつ明白な違法があるとはいえないとされた事例。
  • 温泉掘削許可について、近隣の既存源泉所有者が無効確認を求める原告適格が肯定された事例。
  • 温泉掘削許可は、温泉源の掘削工事施工の適法要件たるに尽きるのではなく、掘削対象土地の利用権者による温泉水の利用にも効力が及ぶから、同許可を受けた者が、温泉掘削工事完了届出後も、同工事完了に係る源泉を利用する可能性があり、近隣の既存源泉所有者が、水位低下ないし湧出量の減少のために不利益を受けるおそれがあるかぎり、当該既存源泉所有者は、同許可の無効確認を求める訴えの利益を有する。
  • 温泉掘削許可処分の無効確認を求める訴えに関し、許可の対象である源泉の近隣に位置する既存源泉の所有者につき、原告適格及び訴えの利益が肯定された事例。