東京地裁 平成22年10月22日判決 (判タ1350号176ページ,判例地方自治343号30ページ,季報情報公開・個人情報保護41号39ページ,ウエストロー・ジャパン)

被告区の情報公開条例に基づき、区長に対して区長車等のガソリン代にかかる文書の公開請求をした市民オンブズマンのメンバーである原告が、区長から本件公文書は存在しないとして非開示決定を受けたため、本件公文書は存在するにもかかわらず区長は非開示決定をしているから同処分は違法であり、また、同処分で付記された理由も不十分であるから違法であるとして、被告区に対し、損害賠償を求めた事案において、本件で、被告区は、本件対象文書の記載内容自体からは、区長車等に係る部分が特定できないため、本件公文書に当たらないと判断したと主張するが、本件非開示処分に合理性は認め難く、同処分における理由付記も不十分である上、被告区が本件対応をした根拠となる考え方も容易に採用することのできない独自の見解であるから、本件公開請求に対する対応としての被告区の職員の行為は違法であり、少なくとも過失があったとして、請求を一部認容した事例。