横浜地裁 平成25年7月10日判決 (判例地方自治380号68ページ)
- 土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令、それを前提とする代執行の戒告及び代執行令書発付処分の違法事由は、代執行費用にかかる納付命令取消訴訟において、その違法事由として主張できる。
- 神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令につき、発令要件、工法の選択についての裁量権の逸脱濫用がないとされた事例。
- 神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令に際しての聴聞手続において、聴聞通知書への記載の仕方も含め防御権の侵害はないとされた事例。
- 土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令、及びそれに基づき行われた行政代執行、当該代執行の費用にかかる納付命令等に違法はないとされた事例。
- 神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令、行政代執行法に基づく戒告及び行政代執行令書発付処分は、行政代執行の完了によって目的を達してその効果が消滅しており、今後この状態のうえに、代執行費用納付命令の履行に関するもののほかに新たな手続が積み重ねられることは考えがたく、また、措置命令、戒告及び令書発付処分の各処分に対して出訴期間内に適法な訴えを提起しているにもかかわらず、事後的に行政代執行が完了し、訴えの利益が消滅したことでこれら処分の適法性を争うことができなくなると原告の手続保障にかける結果となるため、行政代執行費用納付命令の取消訴訟において、当該納付命令の違法事由として神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づく措置命令、行政代執行法に基づく戒告及び行政代執行令書発付処分の違法を主張することができるとされた事例。
- 神奈川県土砂の適正処理に関する条例18条2項に基づく措置命令により課された行為義務は、行政代執行法に基づく代執行の完了により消滅するから、代執行の完了後は、当該措置命令の取消しを求める訴えの利益は認められない。
- 行政代執行法に基づく戒告及び代執行令書発付処分の効果は、同法に基づく代執行の完了により消滅するから、代執行の完了後は、当該戒告及び当該発付処分の取消しを求める訴えの利益は認められない。
- 神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づき、土木事務所長が原告に対してした防災工事をすること等を命じる措置命令を原告を履行しなかったため、当該措置命令にかかる代執行をしたうえでその費用につき納付命令を発した事案において、当該措置命令及び納付命令の取消し等の請求が棄却された事例。