刑事・少年事件

刑事事件

刑事事件は、普通の生活をしていれば、ドラマや映画の中の事で縁の無い話ですが、例えば、自分や身近な人がなんらかの容疑をかけられ、逮捕・勾留などの身柄拘束をされたり、任意で取り調べを受けたり、裁判を受けることになった場合に初めて現実的な問題となります。
刑事事件では、裁判所に起訴される前段階は、容疑をかけられた人は被疑者と呼ばれ、起訴された後は被告人と呼ばれ、その各段階毎に弁護人を選任する必要があります。
この被疑者段階において、逮捕・勾留など身柄拘束されてしまった場合には、現在、無料で弁護士に一回だけ接見に来てもらうことのできる当番弁護士という制度があります。知人に弁護士がいる場合には、その弁護士に依頼すれば良いのですが、そのような知人がいない場合には、この当番弁護士制度を利用することによって、身柄拘束期間、起訴されるか否か、起訴された場合裁判手続がどのようなものか等の説明を受けることができます。
そして、被疑者段階において弁護人を選任するメリットは、被害弁償により示談可能な事件につき、早期に示談をすることにり検察官に起訴猶予を働きかけることや、或いは、逮捕後長期にわたって身柄を拘束される場合に、家族等との接見禁止がなされた時の連絡を依頼すること等が主なものと言えるでしょう。
被告人段階には、裁判における弁護活動のために改めて弁護人を選任する必要があります。そして、弁護人には、被害弁償が完了していない場合には示談を依頼し、或いは、情状面で有利に判断されるような環境を整えてもらう等します。又、場合によっては、起訴された事実自体を争うための弁護活動を依頼する必要が生じます。
尚、被告人段階において勾留されている場合には、退職の畏れや、家族が入院するなどの事情から、身柄拘束を解いてもらう必要が生じる場合がありますので、その場合には、弁護士に保釈請求を依頼することになります

少年事件

成年が起した刑事事件は、通常の裁判所における刑事裁判によって裁かれますが、少年(20歳未満)が起した事件については、原則として家庭裁判所における少年審判の場で裁かれます。
少年事件の手続の流れについては、下記フローチャートの通りですが、成年の刑事事件との主な違いは、全件が家庭裁判所に送致され、身柄拘束の場所が鑑別所となる点、そして、審判による処分として、不処分、保護処分(この中に保護観察、少年院送致、児童自立支援施設送致、児童養護施設送致などが含まれます)検察官送致のいずれかとなる点です。
少年事件については、少年がまだ未熟な成長過程にあることから、成年の場合と異なり、少年の健全な成長を助けるための教育的・福祉的な視点に基づく処分がなされる必要があり、少年審判は、そのような観点から行われます。

少年事件フローチャート
syounen_frow
横浜弁護士会総合法律相談センター 附添人ハンドブックより