企業・法人事件

会社・法人設立

事業をしていますと、次第に個人の資産と事業とを明確に分ける必要が生じてきます。こうしたとき、営利事業であれば、株式会社、有限会社を設立することになります。
また、最近では、中間法人法、NPO法人などの制度が出来ましたので、営利目的以外の法人設立も可能となり、利用しやすくなっています。

非公開株の売買

同族会社など多くの閉鎖型株式会社では、株式の譲渡制限が定められてます。
こうしたとき、少数株主は配当にもあずかれない場合がほとんどでしょうが、株式を譲渡して換金する手段があり得ます。この株式譲渡について現経営陣が承認しないと言うことになると、現経営陣側としてこの株式を買い取ることが決められており、この場合の売買価格を裁判所に決定して売買を行う手続きがあります。具体的には、商法および商事非訟手続に従って手続きを行うことになります。

株主総会の指導


会社の内部で対立要因がありますと、株主総会にそうした対立が反映されがちです。こうした場合、本当は、株主総会で議論すべき事柄ではないのに、いたずらに議事が混乱する場合もあります。合理的な議論をすべき事柄もあります。こうした中で的確に議事を合理的に進めるためにはどうすべきかは、十分検討すべき事柄です。

取締役登記抹消


取締役を退任したのに、取締役登記がそのままになって会社側でどうしても抹消に応じてくれないなどのケースでは、この取締役登記抹消が認められています。
放置しておきますと、第3者に対しては取締役としての責任を問われる場合が生じますので注意が必要です。

取締役責任・取締役の第三者責任・株主の代表訴訟等

取締役は就任しますと、先ず会社自体に対し、そして会社と取引関係にある第三者に対して責任が発生します。会社自体に対しては、忠実義務を負い、又競業避止義務、利益相反取引の制限が課せられ、又違法配当、総会屋に対する利益供与、取締役に対する金銭貸付の焦げ付き等々、その他およそ違法な行為については、賠償責任が問われます。
万一、これらの責任追及が会社によってなされない場合には、株主が代わって責任追及をする株主代表訴訟の制度があります。現在は、株主にとり訴訟が提起しやすく訴状添付の印紙も低廉ですむようになっています。
また取締役の第三者責任で重要なのは、会社が倒産などにより会社への請求がほぼ無意味である場合でも、取締役個人への責任追及が容易に出来るという点です。取締役の個人財産が隠匿されている場合には、会社の取引相手にとっては有力な手段となります。

不正競争防止法

類似商品表示等により他人の商品、営業などになりすます混同行為、又は他人の商品表示にも拘わらずこれを自己の商品と表示すること、更には不正な手段による営業秘密の取得等、不正競争防止法第2条には、所謂不正競争と言われている類型が色々定められています。ここに定められている不正競争により営業上の利益を侵害された場合は、損害賠償請求、差止請求などを求めることができ、又損害額の認定についての特別推定規定、訴訟上の具体的態様明示規定、損害計算を容易に出来るような工夫がなされています。営業利益の侵害の場合には検討されるべき手段の一つです。

著作権法

 著作権は、人間の精神活動により生み出されるあらゆる分野の成果に及んでいます。学術的論文から小説、詩、漫画、絵画、映画、ビデオ、コンピューターソフトなどです。こうした著作物を保護することを目的として、著作権自体の侵害と著作人格権の侵害の場合に損害賠償請求が出来るほか、差止請求ができます。  また意匠、商標侵害のケースも同様損害賠償、差止請求の対象となります。

債権回収

 金銭消費貸借契約、売買契約、不法行為等により発生した金銭請求権が履行されない場合、債務者に対して、通常先ず督促をしたうえで、残債務について期限の利益があるものについては、期限の利益を喪失せしめ、更に担保権が設定されていればこの実行をなし、担保権でカバーしきれない部分については一般財産に保全命令をかけ、あるいは訴訟を提起し、各種強制執行により債権回収をはかることになります。  更に連帯保証人、連帯債務者に対しても同時請求可能なものについては同様の手続を実行することになります。  こうした一連の手続の最中でも、法的措置をとることがすべてではありませんので、当事者間で債務承認をし、債権保全を図りながら無理のない任意の弁済計画を立てさせ、更に適切な履行確保をはかることも重要です。  又財産隠匿、偏頗弁済など、債務者が違法行動に走る場合には保全手続の外、債権者取消訴訟、債権者代位訴訟等の手続をとることも必要な場合があります。  更に、代位弁済における債権保全方法なども注意が必要になりますので、金銭債権発生原因の資料、設定担保の現状況、債務者、保証人の資力などの資料を点検して具体的な手続を決める必要があります。